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大人女子の発達障害

「こうのとりのゆりかご」発達障害児も受け入れてくれるのだろうか?

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「発達障害の息子を殺したいと、何度も思いました。」

「このまま手を離して、交通事故にでも遭えばいいのに。」

障害児を育てる親御さんから、このような意見を多く聞きます。

 

 

あれはいつの日だったか、行政機関の手続きで、とても面倒臭さそうに対応する職員だったので、試しに言ってみた。

 

「本当だよね~。税金泥棒は早くしんでほしいよね~。」

 

すると、職員は目を丸くして

 

「すみっあっ、ま、申し訳ございません。」

 

と謝罪した。

 

あたかも自分が失言したかのように。

 

 

 

社会から見て当事者は、欠陥商品だろう。

 

親御さんなら誰しも、障害のない子を望むだろう。

 

普通の子育てがしたかっただろう。

 

「生まれてきてくれてありがとう」

 

言いたくもないだろうし、乞うてもいけない。

 

親も子も、双方選べない。

 

 

障害児 一応我が子 笑えない 心根は誰しも 産んじゃった

 

 

「こうのとりのゆりかご」は、熊本県の慈恵病院に設置されている、「赤ちゃんポストの名称」です。開設以来、多くの赤ちゃんや子どもが預けられています。

 

 

慈恵医大に「こうのとりのゆりかご」が設置された当時、ニュースに取り上げられ一時話題になりました。それから長い時間が経過し、今ではその名前すら忘れてしまった人がほとんどでしょう。

 

 

けれど、今もなお「こうのとりのゆりかご」は、追い詰められたお母さんと赤ちゃんの緊急避難先として機能しています。

 

「こうのとりのゆりかご」設立の経緯

慈恵病院は、熊本市内にあるキリスト教系の医療法人が運営する総合病院です。

 

内科、外科などのほか、産婦人科も診療科目に掲げています。

 

多くの赤ちゃんが病院で生まれ育つ一方、少女や学生が望まずに赤ちゃんを産み落とし、自らの手に掛けるという痛ましい事件が起きている社会問題に目を向け、赤ちゃんと母親、双方をも救う方法として「こうのとりのゆりかご」を開設しました。

 

 

慈恵病院が「こうのとりのゆりかご」の設置申請を熊本市に提出したのが2006年、翌2007年に市が申請を許可し、2007年5月から「こうのとりのゆりかご」の運用が開始されました。

 
病院の東側に扉があり、そこを開くと中に保育器があります。保育器に赤ちゃんを入れるとブザーが鳴り、待機しているスタッフが駆け付け赤ちゃんを保護し、医師が診察します。

 

 

親が思い直して連絡をしてくるのを待つために、赤ちゃんはしばらく病院にいますが、連絡がなかった場合、市長が名付け親になり乳児院へ移されます。

 

 

その後、里親が見つかれば里親のもとへ、見つからなかった場合は児童養護施設に移されます。

 

 

「こうのとりのゆりかご」には、2007年5月から2011年9月末までに81人の子どもが預けられました。

 

新生児だけでなく、乳児や幼児が預けられることもあり、障害を持つ子どももいたことが明らかになっています。

 

世界の赤ちゃんポスト

日本ではかつて、群馬県に同じようなシステムの施設がありましたが、現在、親が匿名で子どもを預けられるのは慈恵病院のみとなっています。

 
しかし、海外では「赤ちゃんポスト」は珍しくなく、ドイツでは100カ所以上に設置アメリカにおいては、多くの州で赤ちゃんを病院や消防署などの安全な避難場所に、匿名で届けることを許可しています。

 
海外では法律により、中絶が違法となるケースもあるため、単純に日本と比べることはできませんが、望まず子どもを妊娠・出産した女性を救う手立てが整えられている国が少なくないのです。

 

「こうのとりのゆりかご」に預けられた子どもとその後

2015年4月、NHKのクローズアップ現代で、「こうのとりのゆりかご」に預けられた子どものその後が紹介されました。

 
NHKの取材に応じしてくれた親子は、取材当時小学生。

 

預けられた時はすでに物心がついていて、その時のことを覚えているそうです。

 

当時は「お母さんが迎えに来るかもしれないから」と靴をいつも持っていて、お母さんが来ていないと言われると、泣いていたといいます。

 

けれどその後、里親に引き取られ、たくさんの愛を受けて元気いっぱいに育ちました。

 
男の子は

「(生みの親が)「こうのとりのゆりかご」に入れてくれたから、今のお父さんとお母さんに会えた」

と語りますが、彼のように幸せに育った子どもばかりではありません。

 

 

里親と里子という関係上、今の日本の法律では、実の親や親族が引き取りたいと申し出た場合、里親のもとから引き離されてしまう可能性があるのです。

 
実際に、いったんは「こうのとりのゆりかご」に預けられたのち、親の元に引き戻された子どもが、無理心中の道連れになったケースがありました。

 

その親子は、相手の男性が勝手に「こうのとりのゆりかご」に赤ちゃんを入れてしまい、母親がすぐに引き取ったため、母親が子どもを手離そうとしたわけではありません。

 
しかし、その後母親は、子どもと一緒に練炭自殺を図り、2人の命は失われてしまったのです。

 

 

引き取りたいと言う親に、子どもをすぐに渡していいのか、渡した子どもを、誰が、いつまで見守るのか。問題はいくつも残っています。

 

それでも、母親と子どもを守る役割を果たす「こうのとりのゆりかご」

こうのとりのゆりかご それでも赤ちゃんを守る

慈恵病院は熊本県にあります。「こうのとりのゆりかご」に子どもを預けた親の居住地として判明したのは、九州を中心に、関東、近畿、中部。全国から助けを求める親が、慈恵病院を訪れているのです。

 
先述した男の子も、新幹線に乗って移動したことを覚えていると語っています。

 
望まぬ妊娠・出産したものの、誰にも相談できず、頼れずに追い詰められた親が最後に助けを求めたのが、「こうのとりのゆりかご」なのです。

 

 

確かに、子どもを預けて置き去りにすることに対する非難もありますが、そうして自分の手から離さなければ、母子ともに不幸な結末を迎えていた可能性もあります。

 
少なくとも、「こうのとりのゆりかご」に預けられたことで、子どもたちは飢えや寒さ、暴力や貧困から逃れることができ、大人の庇護のもと、安全な場所で命をつなぐことができました。

 

 

少子化が問題となっている中、子どもを産んだものの育てられない親や、育児の苦しさを子供にぶつけてしまう親も少なくありません。

 

精神的に追い詰められた親が、子どもを虐待するニュースも後を絶ちませんし、ニュースになっていない事例も多くあるでしょう。

 
追い詰められた親子を救うシステムや窓口をもっと整備し、広く一般的に知られて使いやすいようにすれば、救われる親子も多いのでは、と誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

 

 

昔のように、隣近所がおせっかいなくらいに構って、子育てを手伝ってくれる世の中ではなくなってしまったからこそ、「こうのとりのゆりかご」のようなシステムがもっと広がる必要性があるのかもしれません。

 

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