子「帰る!」
母親「ん?」
子「帰る!」
母親「んんんん?」
子「帰りたい!」
母親「無視」
母親と公園に来ていた、障害のある男の子が訴えていた。
「帰りたい」と意思表示をしても、帰宅拒否。
母親は「せっかく来たんだから」と曖昧な返事を繰り返して、男の子の主張を聞きません。
公園で遊ぶ幼児の甲高い声や、光の刺激といった感覚過敏で疲れるんだろうな。かわいそうに。
親のエゴを押しつける、立派な虐待に思えた。
その日の午後、雨が降り始めました。
公園での親子のやり取りを見てイライラしていましたが、雨音が不思議と落ち着き、怒りをかき消してくれました。
雨粒が肌に触れたり、激しく降るザーザー音が苦手という発達障害の人は多いですが、私は雨音が好きなほうです。
雨の音を聞くと自然と落ち着く、雨の日は嫌だけど雨の音は悪い気がしない、という方は結構いるのではないでしょうか。
巷では「雨音で落ち着くのは鬱になっているから」とも言われることがありますが、雨音でリラックスできるのは、いくつか理由があることがわかっています。
今日は、雨音を聞くと落ち着く理由について、お話しようと思います。
「1/fゆらぎ」のある自然なリズムを持っているから
1/fゆらぎとは、簡単に言ってしまうと「規則的なものと不規則なものが調和している状態」のことです。
例えば、波の音や電車の揺れる音、心臓の鼓動、ロウソクの火などですね。
これらの音は、一定に感じられるようでいて、微かに波のある自然状態に近い音のため、精神的にも負荷が少なく、聞いているとリラックス効果が得られるのです。
リズムは大きな波がありすぎると、煩雑な印象で落ち着かなくなりますし、かと言って完全に規則的なものも、不自然で窮屈さを感じるものです。
1/fゆらぎは、たいていは一定を保ちながらも微かに波があるので、緊張も解れるというわけですね。
また、雨の音は音量が極端に大きくなったり小さくなったりせず、ある程度一定というのも、気持ちが落ち着く一因となっています。
人の活動が穏やかになるから
雨の日は、あまり活動的な気分になれなかったり、敢えて外に遊びに行こうとは思えなかったりしますよね。
雨が降っている時は、人の活動は穏やかになりがちで、通りを通る人も少なくなります。
すると、日中に感じている喧騒から逃れられるため、リラックスしやすくなったり、余計な音にイライラして気分が悪くなることもなくなります。
私達は、雨の日は外が静かになることを経験で知っていますから、雨音を聞いただけで「これから静かに過ごせそう」と、無意識のうちに安心感を持てるのです。
水の癒やし効果を感じ取っているから
水を飲んだり揺れる水面を見たりして、心が癒やされた経験があるという人は多いでしょう。
胎児の頃には水に囲まれていたり、体中を流れている血液も要は水分ですから、水と生命は切っても切れない関係にあります。
そして、水そのものがヒーリング効果を持っているため、雨の音も聞いていると、自然に精神が浄化されていくような感覚になっていくのです。
以上、雨音を聞くと落ち着く理由の紹介でした。
雨の日はジメジメとして、憂鬱でもありますが、落ち着いてのんびりするにはうってつけの日ですね。
天気が悪い時は、何か活動をするのを控えめにして、心を休めることに集中してみるのも良いかもしれません。