いつも来てくださる皆様、今日もありがとうございます。お久しぶりです。
状況が落ち着いてきたので、ブログを綴ろうと思います。
今日は、不動心を貫くアメリカのドナルド・トランプ氏についてお話したいと思います。
日本人はトランプ大統領を見習うべき!?熱狂の王について
今、世界で最も話題性のある人物の一人が、ドナルド・トランプ大統領です。
彼は、不利といわれていた大統領選において見事勝利したのですが、時々の言動で世界中のメディアがパニック症状を起こしたかのように騒ぎます。
それを見る度に、名のあるコメンテーター達がこう言います。
「彼は愚か者だ」「アメリカの自由を破壊した」と。
彼が大統領の座についてそこそこ時が経ちましたが、今一度彼の人物像を見ていくと共に、彼は参考するに値する人物であるのかどうかを見ていきましょう。
トランプ大統領は「クレバー」である
英語には、知性を現す場合、2つの単語があります。
1つは「クール」で、もうひとつは「クレバー」です。
共に「賢い」という意味を表す言葉ですが、ニュアンスが違ってきます。
クールの場合、知性と共に品格などのようなニュアンスも含まれます。
誰もが賢いと思うだけでなく、同時に「かっこいい!」などの憧れを描くようなイメージが含まれる場合「クール」と評するのです。
そのため、クールという言葉はある意味最大級の褒め言葉です。
一方で、クレバーの場合はどうでしょう。
クレバーも賢さを表す言葉はありますが、同時に「卑怯」なイメージも付きまといます。
「ずる賢い」「狡猾」というようなニュアンスなのです。謀略、策略を張り巡らすようなイメージですね。
大統領選だけでなく、あらゆる選挙において、マイナスイメージがつくことは避けなければならないことです。
選挙に立候補した人達は、「自分はクール」であることを装おうとします。
そして、その姿を見て多くの人々は心を打たれて票を投じるのです。
しかし、当選後に何らかのスキャンダルがあらわになると、イメージは一気に崩壊していきます。日本でも、そのような場面は少なくなかったでしょう。
実は、「クールであろうとすること」は諸刃の剣であると言えるのです。
これをを逆手に取ったのがドナルド・トランプという男なのです。
彼は、アメリカに蔓延する「クールであろうとすることこそ素晴らしい」という空気を逆手に取り、その空気の中に生きづらさを感じる人々に声をかけていったのです。
例えば、移民によって仕事を失った人達や、従来の「supreme and only(唯一にして最高)」というアメリカへの回帰を願う人たちに対して呼びかけていったのです。
メディアやリベラル系コメンテーター達はこれを大いに馬鹿にしましたが、実はトランプは「サイレントマジョリティ」、つまり、何も言うことができない多数側の人々の意を汲み取ったのです。
その結果、選挙という多くの人々の意思を反映する民主主義において、最大のイベントで勝つことができました。
アメリカを二分した理由
しかし、この件でアメリカは大きく揺れ動くことになります。
その理由のひとつが「メディアの価値」です。
今現在、アメリカの大手マスコミのほとんどが「アンチ・トランプ」と言っても過言ではありません。
何故なら、マスコミこそが「クールこそが素晴らしい」と叫び続けてきた存在であるからです。
マスコミの大きな機能は「国民の意思をコントロールする」ことです。
「政治思想を組み立てていく」と言い換えても良いです。
例えば日本では、安倍総理大臣を親の仇であるかのごとく忌み嫌っている新聞社がいくつかあります。
そういった新聞や、その系列のテレビ局のニュース番組でのみ情報を得ている人は、当然「反アベ」な人間になってしまいます。
しかし、もし全新聞社から新聞を取っている人がいたとすると、その人は同じ事柄の記事を複数の視点から読み取ることができます。
ので、一方的な「親安倍総理」や「反アベ」にはならないのです。
ですが、複数の新聞社から新聞を取ると、費用がかかります。
今では、ネットを介してさまざまな新聞社の記事やニュース、あるいは個人の意見を得ることができる時代になりました。
そのため「若者の多くが安倍内閣を支持」「ネットを使わない老人は反アベ多数」という状態になっていることは、先日話題になった麻生副総理の発言から見ても明らかです。
これと同じことが、すでにアメリカでも起こっていたのです。
とはいっても、アメリカの場合は逆で、高齢者のほうがトランプを支持しています。
アメリカの場合、日本とは違いかなり早い段階からネット文化が形成されていました。
そのため、お年寄りもネットから情報を得ることが可能になったのです。
さらにいうと、ヒスパニックや黒人からの支持も2~3割ほどあったそうです。
トランプは、「既存メディアとの対決」を行う劇場型マーケティングをツイッターで展開しました。
それも、差別的と見られてもおかしくないような言動を用いてまでです。
しかし、この事がきっかけとなり、多くの人達がトランプという人物を調べて、アメリカ大統領選の争点や現状を知ることとなったのです。
テレビや新聞といった、既存メディアがやっていたことを個人が行うことで、今まで情報をむさぼり食らうだけだった人達の中から、自分で調べる人達が出てきたというのが、アメリカを二分するきっかけだったのです。
ポリコレとは何か?
トランプ大統領を語る際に、欠かせない言葉が「ポリコレ」です。
ポリコレとは、「ポリティカル・コレクトネス」の略で「政治的正しさ」という意味を持ちます。グローバリズムにおけるひとつの基準として機能しています。
例えば、人種差別やセクシャルな表現などに、ポリコレを基準として批判されることが多くなってきています。
一見すると良い事のように見えますが、実はそうでもありません。
例えば、「胸が大きくウエストが細い女性」のイラストを描いて公開したとすると、「これは女性に対するセクハラ」として、ポリコレ信奉者が攻撃してくるわけです。
日本でも、実際にこのような事がすでに起こっており、吹奏楽部を舞台にしたアニメに対して「このアニメは楽器を男根のメタファーとして使っている」などといった、荒唐無稽な中傷を行い、名のあるフェミニストたちがこれを支持したのです。
このように、ポリコレは「自分たちの意に少しでも反するのであれば排除する」という人達の集まりで、かつてのナチスと類するところも多々あるのです。
しかし、このポリコレこそが正しいといわれる世の中になっていたアメリカは、すでに限界が来ていたのです。
精神は無論、金銭的にも限界でした。
そんな中で登場したドナルド・トランプは、ポリコレをもろともせず、サイレントマジョリティの内に秘めた思いを汲み取り、代弁していきます。
当然、ポリコレ信奉者たちは烈火のごとく怒り狂い徹底的に批判していきますが、トランプはおそらく、彼らはノイジーマイノリティ(騒ぎ立てる少数者)であることを見抜いていたのでしょう。
だからこそ強気で、言いたいことをバシバシと世界に向けて発言することができたのです。
この「サイレントマジョリティの考えを汲み取る」事に関しては、非常に参考にしたいところです。
多くの人は本音を語りません。しかし、空気を読み取ると何となく伝わってくるという人もいます。
それを何となく言ってみると、驚くほど賛同してくれるというシーンが結構あります。
そして賛同した人は、「何故この人は私の言いたいことを平気で言えるんだ」と尊敬すら抱きます。
さらに、言いたい事を気にせず言うというスタイルは、特に政治に興味のなかった人達の興味を惹く結果に繋がっていきます。
日本と同様に、「政治的スタンスを持ち合わせていない」という人はアメリカにも一定数いるので、そこから票を掘り起こす結果にもなったのです。
ポリコレ側を煽りながら自身の支持を固めていく、非常にクレバーな人間であると言えるでしょう。
マスコミとトランプ大統領
マスコミとトランプ大統領は対立関係にあります。
何故かと言うと、アメリカに限らずマスコミはポリコレ側である場合が多いです。
ポリコレは比較的少数ではあるのですが、「クール」を装うのでクール要素のほしい人間が集まってくる傾向にあるのです。
例えば日本でもそうですが、コメンテーターや芸能人などです。
特に、アメリカのロックスターの場合、麻薬やマフィアと密接な関係にあることが多く、タブロイド誌で散々報じられているため、そのイメージを払拭させたいのです。
そこで、よく利用されるのが「ボランティア」や「貧困国への寄付」、「環境問題への取り組み」などといった「ポリコレ的行動」です。
特に環境問題は、自身の中に存在する他国や他民族への差別心を発散させるためにも利用できるため、ポリコレをしながら差別心を満たすことができるので非常に人気です。
「反捕鯨運動」で日本を徹底的に差別したり、「菜食主義運動」で肉を食べる人を中傷したりなど、さまざまです。
これにマスコミも追従しているのですから、矛盾した話です。
大物芸能人が、イメージアップのためにポリコレを利用し、マスコミもその「おこぼれ」を狙う構図が完成した結果、非常に生きづらい世の中となってしまいました。
ドナルド・トランプは、言ってみればアメリカの持つ民主主義上の自由を取り戻すのに一役買っていると言えます。
「トランプは独裁者だ」という人もいますが、では彼を支持する人間を集団で暴行した事件があまり知られていない現状において、それでもポリコレ側が正しいと言えるでしょうか。
少なくとも、ポリコレ側のほうが独裁者に見えてきます。
ポリコレ側は、かつての日本の「ムラ」に近いのです。
意に反するものやムラを脅かすものは村八分にして追い詰める、まさにポリコレです。
しかし、アメリカとは自由の国です。自由の国であるからこそ、その自由を侵害するようなものが現れた時点で、トランプ大統領の誕生は決定していたでしょう。
トランプ大統領の経歴
多くの政治家は、一族が政治家であるというパターンが多いです。
これはアメリカも例外ではありません。
世襲に否定的な方のほうが多いですが、幼少期から政治的知識を得られるという点においては、世襲という環境は優秀な政治家が輩出しやすいと言わざるを得ません。
ではトランプ大統領はどうなのかというと、彼は世襲は世襲でも経営者としての世襲です。
彼の父親は不動産会社を運営しており、トランプ大統領は跡を継ぎ、会社を大きくしました。
しかし、トランプ大統領の経歴を見てみると、何度か破産しているのです。
日本の場合は、一度破産すると人生が終わってしまうというイメージですが、アメリカの場合は破産した後でもチャンスは多々あるようなのです。
そのため、破産自体は頻繁に行われているとは言わないものの、そこまでネガティブなものでもありません。
何度も破産しているという事実から察するに、トランプは非常に見切りの早い人物であるかのように思います。
そのため、他人事を見ても自身と合わないとなると、すぐさま首を切ります。
そういうテレビ番組をやっていたほどです。
これが果たして良い事なのか、なかなか判断することができませんが、大統領の任期は4年あります。
さらに、日本の総理大臣のように、不信任決議で入れ替わるといったこともありません。
そのため、大統領自身が決断しない限りは4年間、大統領が入れ替わることが決してないのです。
自分と合わない人間を身近において、4年間我慢するくらいならば、いっそ周りの人間を入れ替えてしまったほうが、大統領にとっては非常に効率や精神的にも良いのです。
「独裁的」ではありますが、そういった思い切りの良さは見習いたい点の1つであると言えるでしょう。
少し自己中心的にも見えますが、そのくらい図太い神経をしているほうが、生きやすいのかもしれません。
軍人式教育
経営者の中には、「昔はヤンチャだった」という人が多いそうです。
不良と言うよりも、いわゆる「ガキ大将」的な存在と言うと分かりやすいでしょうか。
彼らはものすごく面倒見が良いので、経営者にはピッタリなのです。
トランプ大統領の場合は、ヤンチャを通り越して非常に問題行動の多い子供であった事が一部で有名です。
それを矯正するために、彼は軍人式の教育を施す学校に入学させられます。
挨拶一つとっても厳しい学校生活で、彼は人をどのように育てていくのかを学んでいきます。
それと同時に、忍耐力も学んでいくのです。
現役の軍人が直接指導するので、何か一つ失敗があると当然殴られます。
今現在であれば大問題になっていたかもしれませんが、当時はアメリカでもそのような風潮があったのでしょう。
これらの体験が、ドナルド・トランプという人物の根幹になっていることは言うまでもありません。
しかし、だからといって「戦争大好き」なイメージを貼り付けることは、あまりにも事実に反すると思います。
先日の北朝鮮との会談を見ても分かるように、軍事衝突を避けるためにギリギリのところを調整した点は、日本の自由主義的な方からも評価されていました。
おそらくこれもまた、トランプ大統領のクレバーな演出の一つで「好戦的な人間」であると思わせる事で、自身に有利な状況を作り出していったのです。
未だに最大の軍事力を誇るのが、アメリカです。
さらに、それに追従する形で韓国軍も存在し、更に日本の自衛隊の存在もあります。
これらを背景にしたアメリカという国を、北朝鮮の独裁者が見た時、当然恐怖を感じます。
口で強い発言を言いまくった→それに対して平気で強気に出てくる、今までにない展開でした。
戦争と一口に言うと「理想と規範の対立」「感情と感情のぶつかり合い」というイメージがありますが、本来の戦争もいわゆる外交上の戦争も「それまでにどのような準備をしてきたか?」によって勝敗が決まります。
トランプ大統領はその経験が十分にあり、入念に準備をしてきたからこそ、大統領選や先の米朝会談を成功させるに至ったのです。
その根幹には軍人式の教育があり、その教育によって得た物を実践してきた「経営」という世界での経験が、トランプ大統領の手腕に繋がっていると言えます。
経営者の視点
ドナルド・トランプは先述のように、もともとは経営者です。
不動産会社を経営し、いくつもの高級マンションを所有しています。
いわゆる「トランプタワー」もその1つです。
これまでのアメリカ大統領は、政治家から大統領にのし上がっていくというパターンが多かったのでしたが、トランプ大統領の場合はいきなり大統領選へ出馬しています。
そのため、政治経験は全くのゼロなのです。
ですが、経営者としての経験が彼にはあり、このことを多くのアメリカ国民は知っていました。
ドナルド・トランプは彼自身が広告となり数多くのメディアに出演し、知名度が抜群でした。
例えば、「ホーム・アローン」にも出演していた事が有名です。
不動産王としてテレビ番組に出演していたので、それまでの軌跡も自然と知れ渡ります。
普通の会社であれば、テレビCMの枠を放送局から購入するのが一般的です。
しかし、「経営者本人が番組に出る」ということの方が、遥かにインパクトが強いということを、経営者の直感でひらめいたのでしょう。
いわゆる「イロモノ枠」ではありますが、知名度が抜群になり、その結果が大統領選へと結びついていったのです。
トランプ大統領と安倍総理はなぜ仲が良いのか
日本では「トランプ大統領と安倍総理は蜜月の関係にある」なんて報道されています。
実際のところ、何故そんなに仲が良いのでしょうか。
トランプ大統領は先述のように、政治家の経験はゼロの状態で大統領に選ばれた人です。
やはり不安に思うところはあったと思います。
さらに言えば、アメリカを飛び越え世界中で批判の嵐という状況下でした。
そんな中、いち早くホットラインを通じて連絡をしたのが、安倍総理です。
言ってみれば、政治家における「先輩後輩の仲」と言えるのです。
一番最初に声をかけてくれた人は、頼りにしてしまうというのが人間の性です。
しかし、それだけでは終わらないのがトランプ大統領です。
この時の経験を活かし、西欧列強の中で始めて、それも電撃的に北朝鮮の指導者への会談を決定させたのです。
この行動には世界中が度肝を抜かれましたが、自身が得た過去の経験を活かすというのは、政治家としても経営者としても基本中の基本と言えます。
どちらが上?
そういう関係にあるからなのか、「どちらが上の立場なのか?」というような話がテレビでも良く見かけるようになりました。
やはり、昔ながらの自由主義的な方々は「日本は親米ポチ」という意見を変えませんが、逆に若手の場合は少し違ってきているようです。
トランプ大統領は、今までアメリカができなかった事を行う事で、自身への求心力に繋げるという行動を何度かしています。
例えば、アメリカ大使館をイスラエルに移したり、先の米朝会談もその一つです。
日本の自由主義寄りな人達は、トランプ大統領に対しては軽めに叩きますが、なぜか安倍総理大臣も叩かれます。
むしろ、安倍総理に対しての当たりが強いと思います。
特に、ツイッター上で「アベのせい」のような流れを見る機会が非常に多く、もうほとんど陰謀論なんですが、恐ろしいことに有名なリベラル系コメンテーターがそれに同意するようなコメントをネット上に残したりするもので、寒気を感じます。
その結果どうなるのか、「何も起きない」のです。
トランプ大統領の行動が批判の対象になったとしても、中道から保守系のコメンテーターは賞賛するコメントを送ります。
安倍総理に対してはどうかというと、さすがに常軌を逸した意見に賛同が集まるはずもなく、むしろ支持率が上がっていき、反対派野党の支持率は一向に上がらないという傾向にあるほどです。
今の日米首脳陣は「互いを利用し合う関係」と言えます。
これは、私達一般人も大いに参考にすべき点です。
絶妙なコミュニケーション能力と、相手との信頼関係が出来上がっているからこそ可能な関係性ですが、もし自分と同じか目上の人とこのような関係性を築くことができれば、周囲の人間関係だけでなく仕事の上でも様々なことが自身に有利に動いていきます。
人間関係というと、周囲の自身に対する評価や噂というのは気になるものです。
しかし、1人でも頼れる人間がいて、尚かつその人物が非常に優秀で周囲の評判も良いのなら、周囲が自身に対して否定的な態度をとってきたとしても、「頼れる人との関係」によって立ち向かうことが可能なのです。
グローバリズムは、多くの国々とのつながりを示す言葉です。
しかし、その中において力を示すためには、絶対的な味方が必要になってきます。
トランプ大統領と安倍総理は、どちらが上というわけではなく、ある意味では「平等な関係」と言えるでしょう。
まとめ
今回はドナルド・トランプ氏について書いていきました。
彼を熱狂の王と呼ぶ人もいますが、トランプ大統領は人々を熱狂させるだけの策略を練ることができる人物です。
そこには自身に対するネガティブなイメージも織り込み済みで、むしろ利用している節すらあります。
「私達も、そういう神経の図太さは見習いたいところ」で締めるのでしょうが、彼の神経の図太さは「綿密な策略」があってこそです。
ここまで自身をプロモーションすることに長けた人物は、歴史の中でもそういないでしょう。それを可能にしているのが策略を練るだけの知性と、策を実行するだけの神経の図太さという事です。
この2つを見習わないと、人々を熱狂させるどころか自身が炎上するだけになってしまうので、注意しなければなりません。